
テニス肘は肘だけ治療しても治りません

画像引用元:テニス肘|Dr.KAKUKOスポーツクリニック
物を持ち上げると肘の外側が痛い。
フライパンやポットを持つのがつらい。
タオルを絞るだけでも痛みが走る。
そんな症状で医療機関を受診すると「テニス肘」と診断されることがあります。
しかし実際にはテニス経験がない方がほとんどです。
正式名称は上腕骨外側上顆炎と言います。
一般的には肘の外側に付着する腱の使い過ぎによって炎症が起きることで痛みが発生すると説明されます。
しかし当院ではテニス肘の原因は肘にはないと考えています。
テニス肘とはどんな症状か
テニス肘では次のような症状が現れます。
- ものを握ったり持ち上げると痛い
- フライパンやポットを持つ動作がつらい
- タオルを絞ると痛みが走る
- パソコン作業で肘がズキズキする
- 手首を反らす動きで痛い
進行すると肩や首、腕全体に違和感や痛みが広がることもあります。
名前はテニス肘ですが、テニスをしていない方にも非常に多く見られる症状です。
一般的な原因と治療
一般的には次のようなことが原因と言われています。
- ラケットスポーツなどでの使い過ぎ
- 家事やパソコン作業の繰り返し
- 橈側手根伸筋の緊張
- 腱の微細損傷
- 加齢による腱の変性
- 炎症
そして治療としては、
- 安静
- 湿布や痛み止め
- サポーターやテーピング
- 電気治療や超音波
- ストレッチ
- 注射
- 手術
などが行われます。
しかし、何ヶ月も通っているのに変わらないという方は少なくありません。
なぜなら原因ではない場所、肘を治療しているからです。
肘は被害者に過ぎません
テニス肘は肘の問題と思われていますが、肘は結果として痛みを出しているだけです。
本当の原因は別の場所にあります。
多くの場合、それは肩です。
肩の筋肉が正常に動かなくなると、力がうまく伝わらなくなります。
すると、その負担が末端である肘へ集中します。
その結果として肘の外側に痛みが出るのです。
だから肘だけを治療しても改善しません。
肩以外にも肩甲骨、肋骨、手首など様々な部分が関与しているからです。
肩を固める本当の原因
肩を施術すると改善するケースは多くあります。
しかし肩だけを見ていても改善しきれないことがあります。
その場合は肩甲骨や肋骨の動きを確認します。
肩甲骨や肋骨が硬くなると肩の筋肉は正常に働けなくなり、その負担が肘へ伝わるからです。
またテニス肘は神経由来の要素が強い症状でもあります。
なかなか改善しないケースでは腕神経叢が関係しています。
その場合は斜角筋や小胸筋が施術ポイントになります。
橈側手根伸筋だけを緩めても治らないのはそのためです。
実際の改善例
鍋の蓋を開けるだけで肘が痛いという女性が来院されました。
整形外科ではテニス肘と診断されていました。
確認テストとして少し重たい本を持ち上げてもらうと、肘の外側に強い痛みが出ます。
この動作は肘だけで行われている訳ではありません。
肩甲骨や肋骨、手首も同時に動いています。
そこで肩甲骨や肋骨の動きを改善する施術を行いました。
日常生活の痛みは改善しましたが、確認テストではまだ少し痛みが残ります。
さらに原因を探ると、最後に残っていたのは手首でした。
手首を調整すると、その場で痛みは消失。
結果は5回完治でした。
テニス肘の原因は一つではありません。
だからこそ正しい原因を探す必要があるのです。
再発予防のポイント
テニス肘や腱鞘炎は女性に多い症状です。
その理由の一つが身体の使い方です。
人は力むと肩をすくめてしまいます。
肩をすくめると背中からの力が腕へ伝わりません。
その結果、腕だけで作業することになり肘へ負担が集中します。
家事も仕事もスポーツも同じです。
腕を使う時は肩を上げない。
むしろ少し下げて背中を使う。
これがテニス肘の予防につながります。
プロのテニス選手が強烈なボールを打っても肘を痛めにくいのは、背中を上手く使っているからです。
まとめ
テニス肘は肘の炎症ではありません。
肘だけを治療しても改善しないのは、本当の原因が肩や肩甲骨、肋骨、手首、さらには神経にあるからです。
テニス肘は手術をしなくても施術で改善、完治が可能です。
肘が原因だと言われているのに変化がない。
何ヶ月も治療を続けているのに良くならない。
そのような場合は、現在とは違う視点で身体を見直す必要があります。
今の治療方針に疑問を感じている場合は、一度セカンドオピニオンをおすすめします。