はじめに
当院にはサッカーをはじめ、バスケ、野球、バレー、バレエ、陸上、テニスなど、さまざまなスポーツに励む小中高生やプロ・アマ問わず多くのスポーツ選手が疾患を抱えてご来院されています。
その中でサッカー選手に多い股関節周囲の痛みで「グロインペイン症候群」という疾患があります。
これは、サッカーのキック動作、ランニング、起き上がりなどで下腹部や鼠径部に痛みが出る症状の総称であり、プロ選手にとっては選手生命にも関わることがあるほど深刻な疾患です。
それなのに、まだ治療できるところが少なく、治療方針を誤ったまま何ヶ月も安静といった指示をされているケースが後を絶ちません。
グロインペイン症候群とは?
画像引用元:鼠蹊部痛症候群|日本整形外科学会
「グロイン(Groin)」=鼠径部、「ペイン(Pain)」=痛み、「症候群」=症状の集合。
つまり、股関節やその周辺の原因不明の痛みをまとめて呼んでいる名称であり、明確な原因が特定できないままグロインペイン症候群と診断されるケースも多くあります。
グロインペイン症候群と思われる症状でも、以下のような診断をされることもあります
- 鼠径部痛症候群
- 恥骨結合炎
- 内転筋腱障害
- 腸腰筋炎症
- 鼠径管後壁欠損
- スポーツヘルニア
- 外腹斜筋膜の損傷
いろいろな診断名がありますが、当院の施術方針はすべて同じです。
診断名が違っても、症状の本質は「股関節周辺の痛み」です。
「どこが痛いか、どこをどう動かすと痛いのか」 が問題であり、どのように呼ばれているかは問題ではありません。
主な症状
- ボールを蹴ると股関節や脚の付け根が痛む
- 思いきりキックできない
- 走ったりジャンプすると痛みが出る
- 悪化すると、歩行や起き上がりでも痛む
このような症状がある状態で無理をしてプレーを続けることは、症状を慢性化させる可能性があります。
一般的な治療とその限界
多くの治療院では以下のようなアプローチが行われています。
- スポーツを中止して安静にする
- ストレッチやマッサージ
- 超音波や電気治療
- 筋力強化トレーニング
- 骨盤や姿勢の矯正
このような治療方針では改善までに何ヶ月もかかるか、むしろ悪化する可能性すらあります。
電気や超音波、マッサージでは完治はいつになることやら。。。
世の中で言われている原因、本当に正しい?
一般的には腸腰筋が原因といわれていますが、当院の考えは違います。
いくら腸腰筋に電気や超音波をあててもマッサージをしても治りません。
他にも以下のようなことが原因と言われていますが、すべて間違いです。
患部の炎症
半年も続く炎症は通常あり得ません。多くの場合、実際は炎症ではなく、誤った判断です。
筋力不足
筋力のあるプロ選手でも発症しています。筋力の多寡は関係ありません。
疲労骨折
レントゲンの影を見てそう判断されているだけで、実際は骨折していないケースがほとんどです。当院では疲労骨折と診断された患者さんも完治・改善させています。
当院の治療方針
当院では、診断名や既成概念にとらわれず、シンプルかつ効果的な施術を行っています。
小中学生であれば最短1回、高校生以上でも3回ほどの施術で、完治・改善するケースがほとんどです。
プロ選手の場合、長年の負担によりさまざまな場所に影響を与えているので、若干回数が掛かりますが完治は可能です。
また、グロインペインの原因として見落とされがちなのが「足首捻挫」です。
足首を捻って治ったと思っていたら、今度は股関節が痛くなってきたというケースは少なくありません。
それは、捻挫がきちんと完治していないということ。
足首の不安定性が動作全体に影響し、その代償として股関節に負担がかかっているのです。
何年も前に負った昔の捻挫でも同じです。
こういった場合には、足首の靭帯や腱の整復を行うことで、グロインペインが驚くほど改善します。
最後に
グロインペインは、決して「治りにくい」疾患ではありません。
むしろ、正しい方法を選べば「治しやすい」疾患です。
痛みを抱えたままの練習では本来の実力は発揮できません。
安静を指示されて何ヶ月も休み、競技人生が止まってしまうのはツラいことです。
現在の治療でなかなか良くならない、もしくは不安がある場合はセカンドオピニオンをお勧めします。