
腰痛の原因を見極め改善させています
腰痛は発症のきっかけや症状の幅が広く、正しい理解と的確な施術が重要です。
以下に腰痛の概要と当院の考え方をまとめました。
腰痛とは
腰に痛みを感じる状態を総称して「腰痛」と呼びます。
原因や痛みの程度にかかわらず、腰に痛みがあればすべて腰痛と分類されます。
これだけでも腰痛という言葉の幅広さがうかがえます。
腰痛は軽度なものから重度なものまでさまざまですが、重症化すると足やお尻にしびれが出たり、歩行に支障をきたすこともあります。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、腰痛は男性の自覚症状第1位、女性でも肩こりに次いで第2位とされており、国民の多くが経験する症状です。
生涯を通して腰痛を経験しない人は、全体の1~2割にすぎないともいわれています。
腰痛は人が立って生活する以上、避けて通ることが難しいものといえます。
重要なのは、その痛みの背景を正しく理解し、適切なアプローチを選ぶことです。
腰痛の種類と代表的疾患
腰痛と一口に言っても、その原因や病態によって多くの名称がつけられています。
代表的なものとして、以下の疾患が挙げられます。
椎間板ヘルニア
背骨の間にある軟骨(椎間板)が変性し、後方に突出して神経や脊髄を圧迫することで痛みやしびれを生じます。
椎間板は衝撃吸収のクッションの役割を担っていますが、突出によって神経を圧迫すると症状が現れます。
腰部脊柱管狭窄症
背骨の中を通る神経の通路(脊柱管)が狭くなることで、神経の血流が悪化し、しびれや痛みが出る疾患です。
特に歩行時に症状が強くなり、長い距離を歩けなくなることもあります。
腰椎分離症・分離すべり症
過度のスポーツや腰部の回旋(ひねる動き)などの負担によって、腰椎の後方部分が疲労骨折(分離)する疾患です。
主に10代の成長期にみられ、発症すると腰痛や下肢のしびれなどが引き起こされます。
側弯症
背骨が左右にねじれて曲がる病気です。
軽度では自覚症状が乏しいこともありますが、変形が進行すると肩の高さや腰のくびれに左右差が生じ、背中や腰の痛みを伴います。
骨粗鬆症
骨密度が低下し、もろくなって骨折しやすくなる病気です。
特に閉経後の女性に多く、骨折だけでなく、姿勢や筋力低下に伴う慢性的な腰痛を引き起こすことがあります。
一般的な治療とその限界
腰痛の治療というと、マッサージ、温熱療法、電気治療、ストレッチなどがよく行われます。
これらは血流を促進し、自然治癒を待つ方法です。
軽度な腰痛には効果がある場合もありますが、慢性腰痛などでは一時的には良くなってもすぐに戻り、根本的な改善にはなりません。
「腰が硬いからほぐす」「姿勢が悪いから矯正する」といった考え方も良く知られていますが、一時的なものでほとんど意味がありません。
なぜなら、痛みの原因は腰そのものにはなく、腰にストレスをかけている他の部位にあるからです。
当院の考え方と施術理論
当院では、「そこに痛みがあるから取る」という非常にシンプルな考え方で施術を行っています。
痛みのポイントを探るには「どこをどうすると痛いか」が重要です。
診断名にとらわれず、実際に痛みを生み出している原因部位を特定し、そこに直接アプローチします。
例えば椎間板ヘルニア。
ヘルニアそのものには痛点がなく、ヘルニアがあっても痛みを感じない人は多く存在します。
つまり、ヘルニアがある=痛みの原因ではないという事です。
実際、ヘルニアがある状態でも腰痛が消えることが多く、これは「症状の完治」といえる状態です。
ヘルニアを消失させたのではなく、ヘルニアは残ったままです。
このように、腰に痛みがあるからといって腰を揉んでも改善しないのは、原因が別の場所にあるためです。
当院ではRMT(反射運動理論)に基づいた検査と施術を行い、原因部位を即座に見つけ出して施術しています。
代表的なケースと当院の考える原因
坐骨神経痛
坐骨神経痛の原因としてよく知られるのが「梨状筋症候群」です。
梨状筋の緊張で坐骨神経が圧迫されると考えられていますが、実際には梨状筋を直接緩めても改善しません。
筋肉の解剖学的構造からも、梨状筋単体で坐骨神経を圧迫することは難しいとされています。
本当の原因は、梨状筋を緊張させている別の部位にあります。
RMTによる検査で、その原因部位を特定することが可能です。
腰椎分離症・分離すべり症
一般的には「骨が分離しているから痛い」と説明されることが多いですが、実際には「骨が分離するほどの負担が腰にかかっているから痛い」といったケースがほとんどです。
分離そのものが痛みを生むわけではなく、痛みが出るほどの負担を作り出している別の要因が存在します。
首や股関節など、離れた部位を調整することで、分離があっても痛みが消えることが多く、結果的に分離も自然修復が進むこともあります。
デスクワークによる腰痛
在宅勤務などで座位時間が長くなると、腰痛を訴える人が増えます。
一般的には「動かないから固まる」「体重で腰椎が圧迫される」といった説明がされますが、RMTの視点では「大腿の圧迫」が主因です。
長時間座っていると大腿部が圧迫され、筋肉が硬くなります。
これにより骨盤の動きが制限され、腰部に負担がかかるのです。
腰痛の本当の原因
腰痛の原因は人それぞれ異なり、首、肩、腹部、股関節、足首など、身体のあらゆる部位が関係しています。
重要なのは、「腰が痛いから腰を治療する」という単純な発想ではなく、「どこをどうすると痛いか」です。
例えば、前かがみで痛いタイプと仰け反った時に痛いタイプでは原因が異なり、後者は下腿を緩めることで改善が見られます。
適切な検査と施術によって、最短1回で痛みが解消するケースも少なくありません。
まとめ
腰痛は非常に多様な疾患ですが、その多くは腰そのものに原因はありません。
腰に痛みを発生させている原因部位を正確に見つけ、適切に施術することが根本的な改善につながります。
見つけるポイントは「どこをどうすると痛いか」です。
腰痛は施術で治すことができます。
現在、治療を続けても改善が見られず疑問を感じている場合は、セカンドオピニオンをおすすめします。